【贈与税申告シーズン】新ルール「相続時精算課税」の基礎控除、正しく使えていますか?うっかりミスと注意点

墨田区・江戸川区・江東区にお住まいの皆様、寒さの中にも春の気配を感じる季節となりました。
この時期になると、確定申告と並んで気にかかるのが「贈与税の申告」ではないでしょうか。
特に、将来の相続を見据えてお子様やお孫様への生前贈与を検討されている50代から70代の方々にとって、2024年から始まった新しい贈与税のルールは、非常に大きな関心事かと思います。
その新ルールとは、「相続時精算課税制度」に新設された「年110万円の基礎控除」です。
基礎控除の新設から2年が経過し、2回目の申告シーズン(2026年2月1日~3月15日)を迎える今、多くの方がこの制度を利用されています。
しかし、新しく加わったルールであるがゆえに、「従来の『暦年贈与』と何が違うの?」「うっかり手続きを間違えていないか不安…」といったお悩みも少なくありません。
この制度は一度選択すると後戻りができないため、正しい理解が不可欠です。
そこで本記事では、相続の専門家である税理士の視点から、新ルールのポイントと、実務で発生しやすい「うっかりミス」や注意点について、分かりやすく解説してまいります。
この記事の内容
📘新ルールのおさらい:「相続時精算課税制度」の110万円基礎控除とは?
まずは、2024年1月1日以降の贈与から適用されている新ルールについて、簡単におさらいしましょう。
これまで、贈与税の非課税枠といえば、年間110万円まで非課税となる「暦年贈与(暦年課税制度)」が一般的でした。
一方、「相続時精算課税制度」は、贈与時には2,500万円まで非課税で贈与できる代わりに、贈与した人が亡くなった(相続が発生した)時に、その贈与財産を相続財産に足し戻して相続税を計算する、という制度でした。
つまり、課税のタイミングを「後回し」にする制度だったのです。
しかし、今回の改正で、この相続時精算課税制度にも「年110万円の基礎控除」が新設されました。
これにより、相続時精算課税制度を選択した場合でも、毎年110万円までの贈与であれば贈与税がかからず、さらに将来の相続時に相続財産へ足し戻す必要もなくなったのです。
これは非常に大きなメリットと言えます。
🔍よくある誤解:「暦年贈与」との違いと、一度選ぶと戻れない落とし穴
最も多い誤解の一つが、「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」の関係です。
「両方の制度の110万円控除を合わせて、年間220万円まで非課税になるのでは?」と思われる方もいらっしゃいますが、同じ贈与者からの贈与について、両方の制度を併用することはできません。
贈与を受ける人(子や孫など)は、贈与をする人(父や母など)ごとに、どちらか一方の制度を選択する必要があります。
例えば、父からの贈与は「相続時精算課税制度」、母からの贈与は「暦年贈与」という選び方が可能です。
そして最大の注意点は、一度「相続時精算課税制度」を選択すると、その贈与者(あげる人)からの贈与については、二度と「暦年贈与」に戻すことができないという点です。
「今年はたまたま多額の贈与をするから精算課税で、来年からは少額だから暦年贈与で…」といった使い分けはできません。
墨田区、江戸川区、江東区といった不動産価格の高いエリアで、将来的に不動産の贈与などを検討されている場合は、特に慎重な判断が求められます。
📝ここが最重要!制度を適用するための「手続き」と「期限」
「相続時精算課税制度の基礎控除」を利用するためには、必ず行わなければならない手続きがあります。
ここを間違うと、制度自体が適用されなくなってしまいます。
その手続きとは、「相続時精算課税選択届出書」を税務署に提出することです。
提出期限は、この制度を初めて適用しようとする贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。
贈与税の申告書に添付して提出するのが一般的です。
贈与額が110万円を超えていれば、思わぬ贈与税がかかってしまう可能性もありますので、期限管理は徹底しましょう。
⚠️【要注意】うっかりミスしやすいポイントと申告漏れのリスク
制度の利用において、実務上よく見受けられる「うっかりミス」をいくつかご紹介します。
ミス①:贈与額が110万円以下だから「何もしなくていい」と思い込む
相続時精算課税制度を選択する最初の年は、たとえ贈与額が110万円以下で贈与税がかからない場合でも、前述の「相続時精算課税選択届出書」の提出が必須です。
これを忘れると制度が適用されません。
なお、届出書を提出した翌年以降は、贈与額が110万円以下であれば申告や届出は不要となります。
ミス②:複数人からの贈与で基礎控除の計算を間違える
110万円の基礎控除は「贈与を受ける人(もらう人)1人につき年間110万円」です。
例えば、父と母の両方から相続時精算課税制度で贈与を受けた場合、それぞれの贈与額から110万円を引けるわけではなく、父と母からの贈与額の合計から110万円を控除することになります。
💡将来の相続税への影響は?「持ち戻し」のルールを再確認
相続時精算課税制度を利用する場合、将来相続が発生した時のことも考えておく必要があります。
新ルールでは、年110万円の基礎控除以下の部分については、将来の相続財産への「持ち戻し(足し戻し)」は不要です。
これが最大のメリットです。
しかし、110万円を超えた部分(累計2,500万円の特別控除枠を使った部分)については、相続発生時に、贈与時の価額で相続財産に持ち戻して相続税を計算します。
墨田区、江戸川区、江東区などで、将来値上がりが期待できる土地や建物を贈与する場合、贈与時の低い価額で持ち戻せるメリットがある一方で、万が一値下がりした場合には、高い価額で相続税が計算されてしまうリスクもあります。将来の財産価値の変動も視野に入れた検討が必要です。
🤝自分に合った贈与はどっち?専門家への相談のすすめ
ここまで解説してきたように、新しくなった相続時精算課税制度はメリットが大きい反面、手続きの厳格さや、一度選択すると後戻りできないというリスクも伴います。
「自分の家族構成や財産状況だと、暦年贈与とどちらが得なのか?」「不動産を贈与したいが、どちらの制度を使うべきか?」といった判断は、個々の状況によって最適解が異なります。
特に、墨田区・江戸川区・江東区といった地域で不動産をお持ちの方は、評価額が大きくなりがちで、選択による影響も甚大です。
うっかりミスで後悔しないためにも、生前贈与を検討される際は、ぜひお近くの相続に強い税理士などの専門家にご相談されることを強くお勧めします。
当センターでも、公認会計士・税理士・行政書士が連携し、皆様の状況に合わせた最適なプランをご提案可能です。
これらを別々に依頼すると、情報のズレや二度手間が生じがちです。
最初からワンストップで相談できる体制を選ぶことが、結果的に安心と時間短縮につながります。
【当センターについて】
一般社団法人相続コミュニティセンターでは、墨田区・江戸川区・江東区など東京都内の皆様の相続に関するご相談をお受けしています。
当センターの運営体制
- 一般社団法人相続コミュニティセンター:相続の総合相談窓口
- フォーカス会計事務所:相続税申告・贈与税申告
- フォーカス行政書士法人:遺産分割協議書作成、遺言書作成
- 相続に詳しい提携司法書士:相続登記手続き
代表理事が公認会計士・税理士・行政書士の資格を有しているため、相続に関わる幅広いサポートを一体的に提供いたします。
生前贈与や贈与税の申告でお悩みの方は、まずは無料相談へお越しください。
当センターでは、暦年贈与と相続時精算課税制度の比較検討から、
届出書の提出、将来の相続税シミュレーションまでワンストップで対応いたします。
初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
【免責事項】
※本記事は2026年2月時点の法律・制度に基づいて一般的な情報を提供するものです。法改正等により内容が変更される可能性があります。
※記事内容は一般的な情報提供を目的としており、個別具体的な法的助言や税務助言を行うものではありません。
実際の手続きや判断については、必ず司法書士・税理士・行政書士等の有資格者にご相談ください。
記事監修:公認会計士・税理士・行政書士 内海真樹
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