延納・物納とは?相続税が払えない場合の対処法

相続税は原則として、申告期限(相続開始を知った日から10ヶ月以内)までに現金で一括納付する必要があります。しかし、遺産の大部分が不動産で現金が少ない場合など、一括で納付することが難しいケースがあります。
このような場合に利用できるのが「延納」と「物納」の制度です。
延納(分割払い)
延納とは、相続税を一括ではなく分割で納付する方法です。
適用要件
- 相続税額が10万円を超えること
- 現金で一括納付することが困難な金額であること
- 担保を提供すること(延納税額が100万円以下かつ延納期間3年以下の場合は不要)
- 申告期限までに延納申請書を提出すること
延納期間と利子税
- 不動産が遺産の50%以上の場合:最長20年
- 不動産が遺産の50%未満の場合:最長10年
- 延納期間中は利子税がかかります
延納は「分割払い」とはいえ利子税がかかるため、金融機関からの借入と比較して有利な方を選択すべきです。
物納(不動産等で納付)
物納とは、現金の代わりに不動産などの財産そのもので相続税を納付する方法です。
適用要件
- 延納によっても現金で納付することが困難であること
- 物納に充てることができる相続財産があること
- 申告期限までに物納申請書を提出すること
物納できる財産の順位
- 第1順位:国債、地方債、不動産、船舶
- 第2順位:社債、株式、投資信託
- 第3順位:動産
以下の財産は物納に充てることができません(管理処分不適格財産)。
- 担保権が設定されている不動産
- 権利の帰属について争いがある財産
- 共有物(他の共有者全員の同意がない場合)
- 借地権等が設定されている土地で、その借地権者等が不明な場合
延納・物納の優先順位
相続税の納付方法には明確な優先順位があります。
- まず現金一括納付を検討
- 一括が無理なら延納を検討
- 延納でも無理なら物納を検討
物納は「最後の手段」という位置づけです。物納の審査は厳格で、申請から許可までに時間がかかることもあります。
納税資金の事前準備が重要
延納も物納も、利用には制約が多く、不利になるケースもあります。最も望ましいのは、生前から計画的に納税資金を準備しておくことです。
具体的には:
相続税の納付に不安がある方は、お早めに専門家にご相談いただき、納税プランを立てておくことをおすすめします。
※本記事は2026年3月時点の法律・制度に基づいて一般的な情報を提供するものです。
記事監修:公認会計士・税理士・行政書士 内海真樹
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